2012年11月14日水曜日

ツクレ☆自分好みのホワイトベレー

輝け個性!


ももクロちゃんの公式ファンクラブ「ANGEL EYES」会員に届くホワイトベレー。
白くてふわふわでキュートなこのアイテム。女性が装備するには問題ないのですがいかんせん、男性がかぶるとなると難易度が高い。
おまけにサイズが58cmと、頭蓋骨の大きな人間にはまるで孫悟空にとっての頭の輪っかのように締め付けられる枷のような存在に。血流が止まる。うっ血する。脱いだら痕が残る。
そして個性を出す為のパターンが少なすぎる。
「モノノフ」の中の精鋭部隊「ホワイトベレー」、統率された軍隊のようなイメージと考えれば個性など必要ないのかもしれませんが、推し色の問題などもあり、どうしても個性を追求したがるのが人間の性なのです。



以上のようなホワイトベレーに抱く問題を解消すべく、カスタマイズを実施しました。
当記事はその記録を残すものです。
参考になる点がございましたら、あくまで自己責任においてご利用ください。

※当記事は、ホワイトベレーのカスタマイズを推奨するものではありません。
※あくまで当方環境での経過および結果です。全ての環境下において同一の結果となることを保証いたしません。
※ももクロちゃんマネージャーの川上さんが「ホワイトベレーであることにこだわりがある」という情報もあります。また今後何かの際に、AE他会員と同等のサービスが受けられなくなる可能性も考えられます。あくまで自己責任で!
※当方洋裁の知識と技術は素人以下です。間違っている部分あると思います。ご容赦ください。
※染め上がった後に洗濯する場合、他の洗濯物に色移りするよになります。ご注意ください。


詳細をみるには以下「もっと読む」をクリックし、記事を開いてください。




ソメロ☆ホワイトベレー

ホワイトのこのベレー帽を染めてゆきます。
自分は箱推しなので「黒」にします。
ブラックベレーなら、男でもシックにキマるのでは、という期待もあります。


まず染める前の準備として、ホワイトベレーをバラします。


画像左から、内布、ハトメ(2個)、タグ、バイアス(合皮:ポリウレタン?)、紐(リボン)、ベレー本体の6つに分解することができます。
このうち染めるのはベレー本体のみ。他のパーツは素材的に、染まらないか、変なふうにに染まるか、ベレー本体の染めを妨げるか、熱に耐性がなく破損してしまうかいずれかのことが考えられます。
※ハトメは強引にペンチなどで外すしかないので、元に戻すために自分で別途用意する必要があります。
※後で戻すときのために、バラしながらもその構造は覚えておくようにしましょう。特にバイアスは、縫い付け方にクセがあるので確実に覚えておくよう注意してください。


いよいよベレー本体を実際に染めてゆくのですが、今回使用したのは「ダイロン マルチ」のEbony Black。
60~75度のお湯に漬けるなど手間はかかりますが、比較的に綺麗に染まると評価の高い染料です。
染める際の手順などは以下の記事が参考になりますので、コアな手順については参照ください。
参考:ダイロン ブログ-染料特集1 マルチ(お湯染め)の染色方法

※カラーや環境(お湯の温度など)によって、実際の色合いは異なります。できれば同素材(羊毛フェルト)で一旦試してから本番をおこなうのが好ましいと考えます。(羊毛は他の布より淡い色に染まるとのことです)
※効果は未知数ですが「ダイロン プリダイ」による、もしもの時の色抜きが可能です。ホワイトベレーにおいて、完全に脱色が可能なのかどうかはわかりません。




まず中性洗剤で一度手洗いします。
ごしごしこすると羊毛がすぐ抜けてしまうので、やさしく揉み洗いを心がけます。
洗剤が出て行くまですすいだら、濡れたまま今度は染料の中へ。ホワイトベレーとはここでおサラバ。昨日を脱ぎ捨てて勇気の染色を振り絞れ!

いってらっしゃい!

ダイロン マルチによる湯染めは、湯温が60~75度が適しています。
低いとうまく染まらず、高すぎるとなんか弊害がありそうなので、以下方法にて湯温管理しました。
まず給湯器により60度の湯を入れ、若干火にかけて温度を上昇させます。
約70度くらいになったかなというところで火からおろし、洗面所へ。
60度の湯をため、流し続けている中に染料を混ぜた湯が入った鍋を入れ温度低下を防ぎました。
(ベレーを入れたまま煮ると焦げ付きそうでいやなのでやめました)

なお、今回一番心配だったのが「刺繍の部分まで染まってしまわないか」ということ。刺繍糸の素材が気になります。
この「ダイロン マルチ」は、羊毛などは染まるがポリエステルは染まりません。
最近の刺繍糸にはポリエステルが使われる傾向にあるようですが、もし高級志向で綿なんかが使われていたらアウト。ドキドキしながら染まり上がりを待ちました。

そして、40分後。

結果、染まりませんでした。

やった!ポリエステル万歳!


周りに染まらない自分カッケー!

染料が出てこなくなるまで手ですすいで、ネットに入れて洗濯機の脱水にかけます。多少は染まっちゃうかなーと覚悟していましたが、見事鮮やかなピンクはそのままに輝いています。よかった。

ところで、羊毛は淡い染め上がりになります。ブラックベレーというか、グレーベレーになりました。
白よりはシックなので良しとします。
ちなみに染め→乾かし→染め の「重ね染め」を実施してみましたが、色合いはほぼ変わらず効果はありませんでした。


ちなみに刺繍裏面。隙間に型紙(?)が残っていましたが、洗濯の時点できれいに除去されました。なので刺繍部分の感触は、当初よりも若干フニャってます。


この状態で一日陰干し。羊毛フェルトは繊維の特色として少し乾きにくい素材のようです。



ノバセ☆ホワイトベレー

染まり終わったら、次にサイズの問題について考えます。

羊毛フェルトはデリケートな素材(という印象)。
無理に引っ張るとちぎれてしまいそうなので、これ自体を伸ばしてユルくする事は避けます。
しかし58cmのサイズ、ここから3cmは伸ばさないとかぶることができない。
小顔矯正の店に通っても、この頭蓋骨は外科的な手術を施さないとベレーに合ったサイズにはならないと考えます。
骨をガリガリ削る訳にもいきませんから、ここはベレーのほうに細工を施します。


このようにベレーの縁に縦方向の切れ込みを入れ、裏からゴムを縫いつけます。


アジャスターです。これで多少はサイズに余裕ができます。
アジャスター部分は大きければそれだけ機能性が向上しますが、見た目がかっこ悪いので最低限の大きさでつくりました。
これで物理的にかぶれない状況を改善しました。



カザレ☆ホワイトベレー

さて。せっかくなので個性追求のため、色々飾ってゆきます。
ベレー本体のみの状況のうちに、思い思いの小物を縫い付けてゆきます。


これはゴールドスターのアップリケと5色の小さい房。箱推しとして5色は入れておきたかった。
そして何か動きのあるベレーにしたかったので、5色の房をぶら下げることにしました。
かぶった時に、前から出席番号順になるように配置します。


次にこのように、小さい穴がパンチングされたアルミ板なんかを縫い付けておけば、ここを土台に色んなものを貼り付けることが可能となります。
(ちなみに上の例では、アルミ板にあけられたパンチングの穴が小さすぎて針が通らなかったので、結局縫い付け用の針穴は自分であけることになりました。購入の際は、先をよく読んで考えましょう。。)


先ほどのアルミ板を土台に、かぶった時に真後ろにくる位置に金属の「Z」パーツを貼り付けました。
ピンズやバッジ形状のものをでも良いかもしれませんが、針が危なく不安なのでこのようにします。



モドセ☆ホワイトベレー

まあここまで来たら下の姿に戻すのは困難なのですが、そういう意味ではなく、バラバラにしたパーツを元の形に戻してゆくということです。


まず裏布を縫い合わせてゆきます。2つの穴があいているハトメを最初に戻しておくと位置が決まって良いと考えます。
先にも書きましたが、ハトメはバラす際に壊さないと外れず再利用が困難なため、別途ベレー色に合ったハトメを用意しましょう。


糸は丈夫なジーンズ縫いつけ用。ステッチが目立たないように黒色を選択しました。
最終的に合皮バイアスをつける時に隠れる部分なので、裏布を縫い合わせるときは多少ラフでも良いです。ただししっかり縫い付けましょう。
アジャスターの部分は開くように切れ込みを入れ、それに沿って縫い付けてゆきます。
ちなみにタグもこの時縫い付けておきましょう。
刺繍ロゴを裏から支えるかまぼこ型のプラスチック板(裏布に縫い付けられています)も、ちゃんと刺繍ロゴ裏にくるように注意しましょう。

あ。今更ですが、当方ミシンなど所持しておりませんゆえ全て手縫いです。


裏布の縫いつけが終わったら、最後にバイアス(合皮:ポリウレタン?)を縫い付けます。
サイズ調整のための紐(リボン)も巻き込んで縫い付けます。
ベレーの色に合うように、別途黒色のポリウレタン製の合皮を用意しました。
紐(リボン)もそれに合わせています。(同等で黒色のリボンが見つからなかったので、多少高級感がアップするものを用意しました)

これはまず外側から、後に内側から縫い付けることになります。
言葉では説明しづらいので、前述のとおり実際バラす時に縫い付け方については熟知しておいてください。



以上工程を経て、このように個性輝く「グレーベレー」が完成しました。
グレーの中に、ピンクのロゴが目立ちます。


5つのゴールドスターと5色の房。良い感じにワサワサ揺れます。


背後には金属の「Z」プレートが。本来のデザイン的にはこれ逆さまなんですが、矢印は下向きより上向きが良いでしょということでこの向きに。


アジャスターもしっかり機能しています。
手順では触れませんでしたが、男子たるものベレーは片側に垂らす形でかぶるべきと考え、形が固定されるようボタンで留まるようにしました。
実際やってみればおわかりになるかと思いますが、まあ、期待通りには機能しなかった部分です。。


はい。石仮面氏もこの表情。精悍ですね。勇ましいですね。


ところで、カンの良い方なら既にお気づきかもしれませんが、でかい失敗というか、当初の予定と違う仕上がりになってしまう、いわゆる「やらかした」ことがあります。

そうです。デザイン的にこれ、左右反対じゃね?ってことです。

本来であれば向かって左側を垂らすかぶり方が軍隊としては正しく、完全に逆をいってしまった。
出来上がってから気づいた。鈍すぎる。

まあ…これも個性ってことで。別に軍隊じゃないんだしいいでしょ、と自分に言い聞かせるとしますよ。





以上、あくまで「一例」として紹介いたしました。

1色染めの場合はこの方法でいけます。2色染めの場合も、マスキングをどうにか考えれば可能かもしれません。
しかし多色染めの場合は、染料をそのまま塗る方法が適していると考えます。
ダイロン カラーファン」であれば直塗りが可能と思われますが、生地への浸透や発色などは未知数です。また、羊毛フェルトの起毛がつぶれないか、べったりごわごわした触感になってしまわないかなど、不安要素は多いです。
当初自分も、5色を迷彩柄のように配置したアーミーベレー的なものに仕上げようと考えたのですが、これら不安要素のため単色染めを選んだという経緯があります。

今回はダイロンの染料を選択しましたが、他社のものでも近い結果が得られるのではないかと考えます。
もしかしたらもっと良い染料もあるかもしれません。実際に試して比較できれば良いのですが、試し染めのための羊毛フェルト生地が手に入らず断念しました。
色々試してみるのも良いかもしれません。
ただ、染色スプレーやペンタイプの生地染めは、仕上がりが微妙になる気がするので、個人的には避けたほうが良いかなと考えます。